ヤミ金

筆 者: 差し支えのない範囲で、ヤミ金に関わった経過を伺いたい。
被害者: DMのハガキだ。同じ時期に、いろいろな業者からDMのハガキが来た。表のシールをめくると、高額なお金を低金利で借り入れ出来るような、今思えば、巧みに誘う宣伝が印刷されていた。なぜ、何で私の住所や借り入れ状況を知っているのか、と不審に思った。しかし、消費者金融に多額の借金(多重債務)があって、返済のための金銭にさえ困っている時だったので飛びついてしまった。

筆 者: どのくらいの債務があったのか?
被害者: 個人で400万くらい。
筆 者: 大きな金額だ。失礼だが、利息の方は?
被害者: 月に18万くらいになっていたと思う。給料の手取りが40万くらいだった。妻から5万の小遣いを貰っても、とても返済に追いつかなかった。だから、返済のために、また借金する必要に迫られていた。

筆 者: ヤミ金業者はどのような対応だったか?
被害者: DMに書かれている番号へ電話をして、宣伝にあった"低金利"の融資を申し込みたいと話すと、名前と住所をきかれた。それで、審査の結果、あなたは債務が多いのでDMに書かれた"商品"は利用できないが、「ウチの社内規定で可能な融資はできる」と業者は話しかけた来た。

筆 者: それでヤミ金のオフィスに行った。
被害者: 持って来てくれというので、印鑑と運転免許証、不動産の登記簿などを持参した。半日の有給をとって申し込みに行った。

筆 者: 最初にどのくらい借りたのか? また、その状況はどうだったか?
被害者: 20万。月に30%の利息だと云われて、ああ、ニュースでやっていた高利貸しかと思ったが、消費者金融の返済が迫っていたので、そこで借りざるを得なかった。運転免許証の写しならまだいいが、登記簿の写しを取られたのが怖かった。返済できなかった時の債権処理はお任せします、という意味の白紙委任状にまでサインと捺印をさせられた。
筆 者: 悪循環ではないか。その業者に返済が滞る結果になったのでは?
被害者: その通り。月6万の利息だった。借りて4ヶ月目のことだったと記憶している。予定日になって「払いが遅れます」と電話をすると、「こっちに来て話をしろ!」と怒鳴られた。業者のオフィスに行くと、個室に呼ばれて、「いつ払えるんだ」と詰問して来た。回答まで2、3日待ってくれないかと云うと、30分くらいの間、暴言を浴びせられた。結局、その月は利息を入れた26万に4万を足して30万の債務にすることで解放された。

筆 者: その業者はどのような人物だったのか?
被害者: だから、日本人は嘘つきだ。歴史で嘘をつく日本人はバカだという意味の暴言を繰り返していた。今思えば、業者は日本人ではなかったと思う。日本人を罵倒することで優越感というか。快感を得ていたのかもしれない。

筆 者: 誰かに相談はしたのか、警察とか?
被害者: 警察に何度も電話をした。担当者が不在だということだった。電話口に出た人に、事情を詳しく話して、相談に乗ってくれるように懇願したが、結局、相談に乗ってもらえなかった。

筆 者: 他に誰かに相談したか?
被害者: 友人に相談した。友人が良い弁護士さんを紹介してくれた。一度、来なさいと云ってくれたので、洗いざらい話して、一覧表を作って提出した。弁護士さんがすべての業者に交渉してくれたおかげで督促がすべて止まった。相談した時点でヤミ金からの借り入れも複数になっていた。自殺まで真剣に考えていたところだった。

筆 者: それは良かった。債務処理はどうなったか。
被害者: 消費者金融は過払い利息の返還を差し引いても数十万の債務が残ったが、ヤミ金融は全部解決した。過払い金が還ってきた。それを消費者金融の残債務に当てたら、残りはほんの僅かになった。この分は自分で返済してゼロに出来た。

以上はあるブログから引用させてもらいましたが、私のところにも時々相談に見えます。
中には、自殺寸前で、たまたま新聞の私の無料相談の広告を見て、お金がないから相談だけしてみようと決意してこられた方もいます。
この方は、私がその場でヤミ金に電話して解決し、涙を流して帰られました。
最近、最高裁の判決で、元本も返さなくても良い(公序良俗違反)ということになりましたので、多少減ってきた感はありますが、よけい闇にもぐってしまっているのかなとも思います。

また、最近事務所の相談で増えてきたのが、勝手に振り込んできて利息を払え、解約するなら解約料払えというものです。
これは、一昔はやった手口でいわゆる「押し貸し」というもので、またぞろ復活してきました。
以下は、事務所で下記のように意思統一した文書です。


いわゆる押し貸し(勝手に振込み)の法的構成

(公序良俗)
第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
(不法原因給付)
第708条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
(承諾の期間の定めのある申込み)
第521条 承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。
2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。
(消費貸借)
第587条消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
いわゆる「押し貸しは」
?民法90条の公序良俗違反で無効である。
?民法708条の不法原因給付により、返還の必要がない。「不法」の法とは、民法90条違反だから。
?「契約が成立している」と言ってきたら、「契約には民法521条により申し込みと承諾が必要であるが、承諾をしていないので効力が発生していない。すなわち意思表示の合致がない」と反論。
?「金銭消費貸借の成立」を言って来たら、「金銭消費貸借は返還の合意と金銭の交付の二つが要件。確かに金銭の交付を受けているが、もうひとつの要件である返還の合意(?の意思表示の合致)がないので成立していないと反論。
?現実的にもめるのを避けるには、
(1)入金されたら、手をつけない。
(2)利息もしくは他の名目のお金を1円でも払ったら、承諾とみなされるので絶対払わない。
(3)警察に届けて遺失物扱いにしてもらう。6ヵ月たったら自分のもの。
(4)司法書士受任で一発解決。(最後の手段)


「遺失物扱い」はちょっと無理かなとも思いますが、ともかく上記のように対応してください。
最近は警察の方も以前と違って積極的に対応してくれるようになりました。
ちなみに電話番号は、北海道警察本部相談センター 011-241-9110です。

年の瀬に向かってなにかとあわただしい時期になりましたが、風邪など召さぬよう、1日1日を大切に生きていきましょう。            

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